会長コラム
三風五雨の精神
熊谷守一という画家を知っているだろうか。文化勲章、勲三等叙勲を自ら辞退した人である。孤高の画家であり「画壇の仙人」と称されている。
その熊谷画伯の言葉に「三風五雨(さんぷうごう)」というのがある。
人生を10日間と例えると、三日は風が吹き、五日は雨が降る。晴れるのは二日しかないという考え方である。 10日全てが晴れるなどと過大に期待せず、風が吹いたり雨が降る日のほうがほとんどで、晴れた日に感謝する気持ちを持とうという意味である。
晴れを期待し過ぎると、不平、不満が生まれ、常に満足、充足を求めるようになる。どんなに自分が寝ないで頑張ったとしても、風や雨が降ることのほうが多いという"覚悟"があれば、当たり前の風や雨に不平、不満を持つこともなく、晴れた日に"感謝"できるはずだ。
三風五雨は、"覚悟と感謝"を言わんとしているのではないだろうか。
熊谷画伯は、自分の生き方そのものを表現しようとした。作品が有名になることも、賛美も賞も期待しなかった。そのような覚悟で生きたから、勲章や叙勲も断ったのだ。
賛美も賞も期待し、求める画家になれば、それが貰えなければ不満に思い、制度に不平を感じるだろう。こんなに頑張っているのになぜだという自己嫌悪に陥ることであろう。
彼は、その程度の考え方では、良い作品ができるはずがないと考えたに違いない。
三風五雨は、経営者にも通じる考え方である。
まず、覚悟。覚悟を持っているか。何が何でも、どんなことがあっても、逃げずに、うろたえない覚悟があるか。嫌な事があっても、辛いことが続いても、逃げ出さない覚悟があるか。
そして、何よりも、上手く行く事ばかりではないという覚悟があるか。
私はつくづく思う。経営者をしていると、何でこんなにも毎日毎日色々な出来事が起きるのかと。本当に風と雨の日ばかりで、晴れる日はほとんどない。
だからこそ、晴れた日には、感謝しなければならないのだ。自分だけの力でここまでやったなどと天狗になっては行けないのである。
生きていられることだけでも感謝しなければならないのだ。
経営者とは、覚悟をして、感謝を ........
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